ネットアップは6月6日、「NetApp SolidFire SFシリーズ」の新製品として、オールフラッシュストレージである「SF19210」および、同シリーズに搭載するストレージOSである「NetApp SolidFire Element」の最新バージョンとして「NetApp SolidFire Element OS 9(Fluorine)」を発表した。すでにSF19210は提供開始しており、Element OS 9は2016年第3四半期(7~9月)中に出荷開始の予定。
SF19210は同シリーズ製品で最も高密度といい、従来製品と比較して2倍のパフォーマンスと容量を備えている。これにより、オールフラッシュストレージに要するコストを削減できるとともに、最も低いGB(ギガバイト)/IOPSあたりのコストを実現しているという。
実効容量は40~80TB(テラバイト)、最大10万IOPS、1ミリ秒(1/1000秒)以下のレイテンシーを備える同製品は、高密度な仮想化環境、データベース、パフォーマンス保証、容量のスケールアウト、より高密度なインフラが求められるパブリック/プライベートクラウドインフラに適したオールフラッシュストレージ。
また、QoS保証やスケールアウト型アーキテクチャ、インラインのデータ削減、システム自動化、VMwareやOpenStackなどの環境との統合など、従来から提供しているすべてのソリッドファイアーの機能を利用できるとのことだ。
一方、Element OS 9はVMware Virtual Volumes(VVols)との統合、ファイバーチャネル(FC)接続の拡張性の向上、マルチテナントネットワーク機能の強化など、柔軟性を向上するとともに、ソリッドファイアーのスケールアウト型オールフラッシュストレージの利用範囲を拡大した。
VVolsとソリッドファイアーのQoS機能の統合により、IOPSの上限/下限やバースト時など細かく設定できるため、仮想マシンでも正確な容量やパフォーマンス保証を提供可能になるとのこと。また、データの移行やパフォーマンスに影響を与えることなく、瞬時に容量とパフォーマンスを変更できるとしている。
FC接続については、ソリッドファイアーのクラスタ内のファイバーチャネル接続ノードとの接続数を最大で4ノードまで拡大した。これにより、ユーザーは最大40ノードまでスケールアウトすることができるという。また、FC接続ノードあたりのIOPSを従来の30万IOPSから50万IOPSまで向上し、4ノードのFCクラスタで最大200万IOPSのパフォーマンスを発揮するという。
そのほかVLAN機能では、デフォルトネットワークのタグ付けが可能になったほか、ユーザーが個別のルーティングテーブルを通じてVLAN上で重複するIPアドレスを利用できるため、限られたIPアドレスを有効に利用できる。さらに、新たに開発したユーザーインタフェースでは単一のダッシュボード上にストレージシステムのデータを集約できるため、ユーザーの時間とリソースを節約できるとしている。