セールスフォース・ドットコムは6月2日、5月に米アトランタで開催された「Salesforce Connections 2016」で発表された「Salesforce Marketing Cloud」の新機能を説明するプレスセミナーを開催した。
冒頭、セールスフォース・ドットコム マーケティング本部 マーケティング ディレクター 加藤希尊氏は、Salesforce Marketing Cloudの目的について、「Salesforce Marketing Cloudは、日本でローンチしてから2年が経つが、企業での導入も進み、デジタルマーケティングの世界が熱くなってきている。我々は、顧客と企業が1:1でつながるカスタマージャーニーの世界を目指しており、すべてのタッチポイントをきちんと管理していく」と説明した。
「Salesforce Connections 2016」では、「Salesforce Marketing Cloud」の新たな製品体系が発表された。これにはスタジオとビルダーという2つの体系があり、スタジオはメール、モバイル、ソーシャル、アド、Webというチャネルを管理するもので、ビルダーには、ユーザーをセグメント化するオーディエンスビルダー、何のコンテンツをどういう風にレコメンドしていくかを管理するパーソナライゼーションビルダー、バナー、テキスト、画像などを管理するコンテンツビルダー、結果を分析するアナリティクスビルダーが含まれるという。
これらはどういう顧客に、どんな接点で、何をコンタクトして、どのように売上げにつなげるかというジャーニー設計のための製品だという。
Connections 2016では、「Marketing Cloud Lightning」という新たなUIのコンポーネントが発表され、今後はMarketing以外の他のCloudとUIが統一される。なお実際、製品に反映されるのは、今年の後半になるという。
また、Eメールスタジオが機能強化され、メールのテンプレートに対してドラッグ&ドロップでコンテンツブロックを差し込むことで、レコメンドメールの作成ができるようになった。また、CRMデータの顧客属性にあわせ、別コンテンツを自動的に差し込むオートメーション機能も提供される。
加藤氏はメール機能を強化した背景について、「マーケッターは、クラウドやマーケティングオートメーションを使いこなせる人と、そうでない人に2極化している。後者の人がまず行うことは、レコメンドメールの配信だ。メールは成果も見えやすく、手間もそれほどかからない。そのため、メールはスタートポイントとして見直されている」と説明した。
Connections 2016で目玉機能として発表されたのが、アドバダイジングスタジオだ。これは自社のCRM上にあるメールアドレスや電話番号と、Facebookやツイッター、Google IDと連携させ、SNS上でターゲティング広告が行える機能。Marketing Cloudで、CRMのデータからターゲティングしたいユーザーを抽出すると、それらの顧客と同様の属性を持つSNSユーザーにターゲティング広告が行える。なお、どういうSNSユーザーをターゲットにするかについては、各SNS側が自社の仕様に基づいて行うという。
そして、モバイルアプリは、マーケティング施策の管理をモバイル上で行える機能で、モバイル上でパフォーマンス分析も行えるほか、メールの停止キャンセル、再開をコントロールできる。動作環境はiOSとなっている。
なお、同社では7月21日にMarketing Cloudのイベント「Marketing Cloud day」を国内で開催する予定だ。