大日本印刷(DNP)は6月2日、患者の食事や睡眠、服薬状況などの生活行動を可視化し、医療従事者(医師、訪問看護師、薬剤師)が診断・処方や指導に活かせるシステム「DNPモニタリングシステム Your Manager」を開発し、今秋に販売を開始することを発表した。
「DNPモニタリングシステム Your Manager」は、電子モジュールを内蔵した毎日生活チェックカード、その記録を読み取るNFCカードリーダー、専用の管理ソフトで構成されており、毎日生活チェックカードでは、食事をしたか、水分は摂ったか、睡眠は十分かといった設問に対し、カード上のボタンを押すことで、患者一人ひとりの生活習慣などの状況が時刻とともに記録される。
このカードをNFCカードリーダーにかざすことで、管理ソフトを介して患者ごとの情報を閲覧することができる。
主な特徴として、服薬状況や生活習慣などの情報を時系列に沿って定量的に把握することにより、健康状態の変化や病気の早期発見につながり、適切な指導・治療につなげていくことができるほか、毎日生活チェックカードのボタンを押すだけで情報が記録されるため、スマートフォンなどの電子機器の操作が苦手な高齢者でも容易に使用できる。
また、記録された情報は、管理ソフトで2次元コード化され、ラベルに出力され、この2次元コードをノートパソコンのカメラで読み取ることにより、インターネットを介することなく多職種間で患者情報を共有化することが可能となる。
パッケージ販売価格は20万円~(セット内容:カード10枚、カード読取などの専用ソフトを実装したノートパソコン、NFCリーダーライター、ラベルプリンター、マニュアル)。
なお、DNPは横浜薬科大学と共同で、高齢者の在宅での生活の様子を把握することを目的に、同システムを使用した実証実験を実施。
実験結果として、服薬状況や生活習慣の記録によって、高齢者の生活状況を定量的に把握することができ、また、タブレット端末やスマートフォンとは異なり、カードのボタンを押すだけの容易なユーザーインタフェースであるため、高齢者でも継続して記録できたとしている。