オムロンは6月2日、各種の電子部品を樹脂製成形品に埋設しインクジェット印刷で接合することで電子回路を形成する技術を開発したと発表した。

同技術は、電子部品を樹脂製成形品の定位置に誤差±50μm以内の精度で挿入し、電子部品の電極部を樹脂の表面に露出させた上で、回路パターンを樹脂の表面にインクジェット印刷で塗布し電子回路を形成するというもので、0201(0.2mm、0.1mm)サイズのチップコンデンサ、チップ抵抗、IC、センサー、LED、LCD、金属端子を含む電子部品を、ABS樹脂、ポリカーボネートなどの汎用の樹脂製成形品へ埋設することができる。液体が浸透しない材質でもインク塗布が可能だ。

従来の電子機器に不可欠とされてきた平面状のプリント基板が不要なため、曲面や立体面上での電子回路の形成も可能。電子部品をプリント基板にハンダ付けする工程もなくなるため、電子部品の耐熱対策が不要となる。

製造に用いる加工装置は、実装機、射出成形機、インクジェットプリンタの3種類のみ。したがって同社は、同技術について多品種少量生産や需要変動に応じた柔軟な生産に適しているとしている。