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TKC全国会は、平成28年度版「TKC経営指標(BAST)」の概要を伝えた。28年度版BASTは、昨年1年間(平成27年1~12月)にTKC財務システムを利用して決算を迎えた年商100億円以下の中小企業の経営成績と財務状態を分析するもので、23万5,000社超、1053業種が対象となる。

全産業の黒字企業割合は前年の50.0%から0.7ポイント上昇の50.7%(6年連続上昇)で、建設業、卸売業での若干の低下を除いた産業で前年を上回る。サービス業が6年連続の上昇、宿泊業、飲食サービスが4年連続の上昇となる。全産業の売上高(企業平均)は前年から232万5,000円増加の2億2,022万6,000円。卸売業、小売業以外の産業で売上高が増加しているが、対前年比が最も高かったのが宿泊業、飲食サービス業の103.2%となった。

主要産業別黒字企業割合(同社資料より)

全産業の経常利益は、32万9,000円増加の586万1,000円(対前年比105.9%)で、こちらも宿泊業、飲食サービス業が対前年比150.2%と大きく伸びている。全産業の平均従事員数は前年から0.3名増えた13.3名となり、1人当たりの売上高は前年から27万円4,000円の減少するが1人当り限界利益(年)・人件費(年)・経常利益(年)はいずれも前年から微増となった。

TKC全国会では、会計ソフト「FXシリーズ」や経営計画ソフト「継続MARS」など経営戦略、財務会計のためのシステムを提供するが収録企業の特性も分析している。会計ソフトで業績管理を行っているF群、会計ソフトを使い経営計画ソフトで経営計画するKF群、双方のソフトを利用した上で「税理士法第33条の2による書面添付」を実践している企業をKFS群とした黒字企業の割合を抽出。前述のようにBAST収録全企業の黒字企業が50.7%(平成28年版)のところ、F群が55.2%、KF群が56.0%、KFS群が57.3%という結果が出ている。

BAST収録企業の黒字企業割合

なお、TKC経営指標(BAST)の要約版・速報版はWebサイトから閲覧できるようになっている。