5月31日(現地時間)、Microsoftは開発者向けカンファレンス「Build 2016」で披露した「The Magic Mirror」の実装方法を公式ブログで解説した。The Magic Mirrorは、Windows 10 IoT CoreをホストとしたWebアプリケーションとして動作し、同社のコグニティブサービスAPIを利用して、顔認証による新たなスマート環境を実現するというもの。サンプルコードはGitHub上で公開済みだ。

Build 2016の「The Magic Mirror: Powered by a Hosted Web App and Windows 10 on Raspberry Pi」セッション動画より抜粋

Microsoft Edge担当プログラムマネージャーのAndy Pavia氏は、「The Magic Mirrorは1方向の鏡の後ろに存在し、シンプルな液晶ディスプレイとして動作。一日の準備を行うために必要な情報などを提供する」と説明している。同社はWindows 10のCortanaでパーソナルアシスタントというコンセプトを実現しようとしているが、CortanaがPCやスマートフォンという媒体を介しているのに対し、The Magic Mirrorは我々の日常にある鏡に着目したプロジェクトと言えよう。

Microsoftが示すイメージ写真。バスルームの鏡に時刻や天気、当日のスケジュールなどが映し出される(公式ブログより抜粋)

The Magic Mirrorの実装内容。Raspberry Pi 3上でWindows 10 IoT Coreが動作し、Web経由でMicrosoft Azureなどにアクセスする(公式ブログより抜粋)

鏡は情報ハブとして動作し、現時点ではディスプレイ上部に天候や時刻、下部にスケジュールのリマインダーや株価などを示す領域を用意。中央部は個人によって異なるメッセージが映し出される。ユーザーはあらかじめ個人情報をコグニティブサービスに送信し、The Magic Mirrorのデータベースに格納済みのユニークな識別子(face_id)を取得してプロファイルを作成する仕組みだ。

The Magic Mirrorの構成図。鏡の後ろに位置するディスプレイには、多くの情報が映し出される(公式ブログより抜粋)

阿久津良和(Cactus)