クラウド型のシフト管理は、エクセルや紙媒体のシフト管理から飛躍的に業務効率が向上するため、導入を考えている企業も多いことでしょう。

一方で、現在、さまざまなサービスが提供されていることから、導入の際にはむしろ選定に迷ってしまうくらいではないでしょうか。

他の業務システムに対して、選定・導入時に比較的失敗をしにくいのがクラウド型シフト管理システムですが、中には導入に失敗する例もいくつかあります。

そこで今回は、その失敗事例をいくつか紹介するので、失敗から成功するクラウド型シフト管理システムの導入を学びましょう。

1. 導入規模に見合わず失敗

クラウド型シフト管理システムでは自社の従業員数や必要な機能要件に見合わないサービスを選定することにより、コストが大きく負担になることがあります。

企業規模が小さい場合従来もシフト管理方法でも十分に機能し、またさほど大きな負担となっていないことが多いので無理にシフト管理システムを導入する必要はないのです。

どうしてもシフト管理をシステム化したい場合は最低限必要な機能だけを要件に入れ、低コストなクラウド型シフト管理システムを導入しましょう。

サービスによっては1ユーザーあたり数百円とかなり安価で導入できるサービスがあり、また必要な機能は備えているので十分に活用できます。

例えば、初期費用が無料で始められるジョブカンは、出勤・シフト管理プランでは追加ID当たり300円で人数に合わせた従量課金が可能です。

このような導入しやすいサービスは小規模経営での導入はもちろんですが、ジョブカンは勤怠管理に加えてワークフローなどの連携するサービスも展開していることから、最近では基幹業務システムの代替としても導入が進んでいます。

2. 自社のワークスタイルにマッチしていない

クラウド型シフト管理システムではさまざまな打刻方式を選択することが出来ます。

タイムレコーダーを利用した打刻やWebブラウザからの打刻、従業員のスマホにインストールしたアプリからの打刻など多岐にわたります。

企業によっては従業員のほとんどが内勤であったり外回りが多かったりとワークスタイルはバラバラですが、自社のスタイルに合った打刻方法を取らなければ打刻時間の正確性が劣ったり不正打刻を可能にしたりなどデメリットを生んでしまいます。

そのため外回りの多い企業ならば位置情報付きの打刻が可能なシステムなど、自社のワークスタイルに合わせた打刻方法を選択する必要があります。

例えば、勤怠管理のjinjerでは、スマートフォンやiBeacon(アイビーコン)による打刻も可能など、多様な打刻スタイルが好評とされており、管理者にとっても選ばれるサービスとなっています。

3. 連携サービスの確認不足による失敗

クラウド型シフト管理システムで重要なのは既存の他システムとの連携が取れるかどうかです。

人事システムや給与システムなどシフト管理システムとの連携によって最大限の力を発揮するシステムがあります。

ですので、導入するクラウド型シフト管理システムが既存の他システムと連携が取れるかどうかは非常に重要な項目です。連携出来ない場合システムの煩雑化を生むので事前の確認が大切です。

こちらの連携性については、各種サービスごとに紹介資料を参照したり、担当者にヒアリングをするなどして、自社の利用ツールとの整合性を確認することをお勧め致します。

まとめ

今回はクラウド型シフト管理システムの導入で失敗する3つの事例を紹介しましたが、これらの失敗にさえ注意すれば、クラウド型シフト管理システムの導入はうまくいくと言ってもいいでしょう。

たかがシフト管理といって比較的導入が簡単なシステムと侮らず、導入は自社の業務を事前に見直した上で、慎重に進めることをお勧め致します。

著者プロフィール

古橋智史
スマートキャンプ株式会社 代表取締役
日本のホワイトカラーの労働生産性を飛躍させるをミッションに、創業3期目を迎えるスマートキャンプ株式会社
最新のクラウドサービスの比較・検討に役立つBtoBメディア「ボクシル」を中心に事業を展開。