世界各国で猛威を振るうランサムウェア。今年に入って、世界各国そして日本においても増加の傾向が報告されている。マカフィーは同社の公式ブログにおいて、このランサムウェアがもっとも攻撃の効果が上がる業界として医療業界の存在を挙げている。
医療業界はもっとも、機密性が高く、大規模で代替できないデータベースを保持していると推測されるにもかかわらず、おそらくサイバー攻撃の対策がもっとも遅れている業界の一つであると指摘。ランサムウェアの性質が「身代金の支払い」によるシステム攻撃からの解放であることから、要求する金額に見合う業界が攻撃されるのだ。少なくとも1つのケースでは、ある医療機関が身代金を支払う選択をしたと言及している。
また、医療機関においてはシステムが使用不能になると甚大な影響が出てくることも当然、予想される。手術や予約が延期されたり、最悪の場合患者の生命に関わる危機すらも予測できる。医療機関がランサムウェアによる大規模な被害を受けた場合のコスト試算として、70万ドルから150万ドルに上る可能性もあるとして、警鐘を鳴らしている。