NTTデータとネットイヤーグループは5月27日、流通業界を中心とした企業へのオムニチャネル導入の推進を目的に協業することで合意した。

オムニチャネルは、ECや実店舗などをまたいで顧客・商品・在庫情報等の一元管理を行うことで、在庫の最適化や、顧客の属性や嗜好などに合わせた適切なキャンペーンの実施など、導入企業およびその顧客の双方にとっての利便性向上を実現する仕組み。

ネットイヤーグループはこれまで企業や地域に対し、消費者の体験設計とそれに基づいたサービス設計や実装を通じて、オムニチャネルをはじめとするデジタルマーケティング領域における企業の取り組みを支援してきた。

一方、NTTデータは流通サービス業界におけるオムニチャネル推進など法人分野の企業が取り組む「攻めのIT」領域において、企業の多様なニーズに対応可能な先進的なソリューションの提供を行ってきた。今後、両社は共同で、コンサルティングからシステム構築・運用、運用における情報解析等を行うことで、企業が求める最適なオムニチャネルの実現に寄与する。

協業は「準備フェーズ」「基本構想フェーズ」「導入・運営フェーズ」の3つのフェーズに分けて、両社で企業のオムニチャネル戦略実現に向けた支援を行う。準備フェーズは企業のオムニチャネルへの本質的理解や、経営層やステークホルダーとの認識共有を深めるべく、各種セミナーやワークショップを提供する。

基本構想フェーズでは、企業のオムニチャネル戦略の将来像、導入ストーリーに対する合意形成を支援するべく、企業が提供する商品やサービスと顧客の接点において、どのような体験を提供したいかを顧客視点に立ち、理想像を描く支援を行うほか、その理想像を実現するための具体的な実現方法/計画の策定を支援。

導入・運営フェーズは、基本構想フェーズで策定した計画に基づき、最適なソリューションの提供やシステムを開発し、運用フェーズにおいてはアクセス解析を行い、企業のオムニチャネル戦略実現に向けた改善案を提案する。

両社の役割として、ネットイヤーグループは準備、基本構想フェーズでユーザー視点に基づいたエクスペリエンスデザインにより、企業の目指す理想像・ゴールを描くコンサルティングを行い、導入・運営フェーズにおいてはECデザインやアクセス解析・サイト運用を支援する。

また、準備、基本構想フェーズにおいて、企業の理想像・ゴールを実現するためのシステム実現方針の策定を行う。さらに、システム実現方針の策定において経営戦略や情報戦略を立案してきたNTTデータ経営研究所のコンサルティングサービスの提供も検討している。導入・運営フェーズにおいては、オムニチャネル戦略を支える最適なソリューションの提供やシステム運用を支援していく考えだ。

今後、両社は共同でコンサルティングからシステム構築・運用、運用における情報解析などを行うことで、企業が求める最適なオムニチャネルの実現に寄与する。また、セミナーなどを通して企業におけるオムニチャネルの必要性を訴えることで、オムニチャネル導入のさらなる促進を図るとともに、オムニチャネルを成功に導くためのポイントをソリューション化していくことも検討していく。