日立製作所(日立)は5月27日、中国・広州市の超高層複合ビル向け超高速エレベーターの走行試験で分速1200m(時速72km)を達成したと発表した。
同エレベーターは分速1200mを実現する大出力と薄型化を両立した永久磁石モータ、昇降機用として世界最大級の容量をもつインバータを搭載した省スペース制御盤などが特徴。下降時の定格速度は分速600m。
安全面では耐熱性に優れた制動材を使用したブレーキ装置を開発。さらに、高速走行においても快適な乗り心地を実現するため、振動を減衰させるアクティブガイドローラーを開発し、カゴの上下左右の4カ所に設置した。このほか、気圧の変化に緩急をつける独自の気圧制御方式により、耳閉感を緩和するなど、安全性と快適性の向上に向けたさまざまな新技術が投入されている。
同エレベーターは2016年秋に稼働予定で、今後は安全性・快適性をさらに検証しながら、最終調整作業を進めるとしている。