Red Hatは5月27日、Red Hat Enterpriseプラットフォームの最新バージョン、Red Hat Enterprise Linux 6.8の提供開始を発表した。

今回発表したRed Hat Enterprise Linux 6.8では、組織のプラットフォームのセキュリティ強化や、システムの管理/監視能力を拡充するための最新機能を多く搭載した。

仮想プライベートネットワーク(VPN)のセキュリティを強化するため、幅広くサポートされた標準的なVPNプロトコルの実装であるlibreswanを使用。openswanに代わり、Red Hat Enterprise Linux 6 VPN エンドポイントソリューションとなることで、Red Hat Enterprise Linux 6の顧客は最新のVPNセキュリティ機能を利用することができる。

顧客がRed Hat Enterprise Linux 6の最新バージョンを実行すると、Identity Managementクライアントコード(SSSD)に追加された新たな能力によってクライアント側のパフォーマンスが向上し、容易に管理できるようになる。クライアントでキャッシュによる認証ルックアップを行うことで、Active Directoryサーバとユーザークレデンシャルを不要に交換することがなくなる。また、adcliに対応しているため、ActiveDirectory ドメインと相互運用可能なRed Hat Enterprise Linux 6システムを簡単に管理することが可能となる。さらに、システムへのログインおよびsudoなどの関連関数の場合、スマートカードによるユーザー認証にも対応している。

システムアーカイビングツールRelax-and-Recoverが導入されたことで、システム管理業務が合理化され、システム管理者は中央集中的アーカイブとリモートレプリケーションによって災害復旧作業を簡素化するISO形式のローカルバックアップを作成。また、強化されたyumツールを使うと、新たなプラットフォーム機能の追加/有効化に必要なパッケージを検索するプロセスにインテリジェンス機能が追加され、パッケージを簡単に追加できる。

Red Hat Enterprise Linux 6.8では、デバイスマッパードライバーを使用するデバイスのユーザー定義範囲の I/O統計値を表示および管理するプログラム、dmstatsを通じてストレージ使用量とパフォーマンスに対する可視性が向上した。

また、データ量が増え続ける顧客向けに、Scalable File System Add-onが最大300TBのxfsファイルシステムに対応した。さらに、Red Hat Enterprise Linux 6.8の提供開始により、顧客が従来のワークロードをコンテナベースのアプリケーション(Red Hat Enterprise Linux 7とRed Hat Enterprise Linux Atomic Hostへのデプロイメントに適したもの)に移行できる最新のRed Hat Enterprise Linux 6.8ベースイメージの提供が開始される。