SHIFTは5月26日、IT関連企業の役員層を対象に、「ITシステム開発に関する意識や実態」についてWebアンケート調査を実施し、その結果を発表した。調査は、2016年4月20日~27日の間に行われ、有効回答社数は45社。
「システム開発プロセスの中で、注力されている効率化や改善したい工程は何ですか?」との質問に対し、「テスト工程(89%)」「要件定義工程(71%)」が挙がった。つまり、7割以上の企業が、ユーザーが満足する高い品質でシステムを提供するためには、不具合を減らす「テスト工程」のみならず、ユーザーから要件を引き出す「要件定義工程」の改善にも注力することが肝要であると考えているようだ。
「システム開発を行うにあたり、特に意識されている項目は?」と聞いたところ、「納期から遅延なくリリースしたい(64%)」「開発期間を短くしたい(56%)」「開発コストを下げたい(56%)」、という開発部門が直面しているビジネス要求に関する項目が上位を占めた。次いで、「リリース後の不具合を少なくしたい(56%)」「プロダクト品質を上げたい(47%)」と、品質に関する項目が続く。いち早くサービスリリースすることが企業の競争力向上、強いては売上や利益につながるため、納期を守り、短い開発期間で計画通りにリリースするというビジネス要求に応えると同時に、品質も担保しなければならないという、難題に直面していることが明らかになった。
「システム開発を行うにあたり、既に実施した取組みは?」いう問いへの回答には、「品質管理・向上に関する強化(56%)」「情報セキュリティ(不正アクセスや情報漏えい等)の強化(56%)」などのリスク対策や、「テスト自動化(47%)」「テスト工程の効率化/改善活動(42%)」が上位を占めたことから、QCDのコントロールに高い課題意識を持っていることが分かった。
同社では調査を通じて、ITシステム開発を取り巻くさまざまな与件がある中で、ビジネスにおいて求められる開発スピードに応じながら、ユーザーが満足する高い品質のシステムを提供するには、抜本的な変革が急務であることが明らかになったと述べている。