NTNは5月23日、自動車の駆動・制御において普及が見込まれているバイワイヤ制御に不可欠な、汎用性の高い「電動モータ・アクチュエータ」をシリーズ開発したと発表した。
バイワイヤ制御とは、ブレーキバイワイヤ、シフトバイワイヤなど、運転者の操作について、伝達部分を機械的伝達機構から電気信号に変え、アクチュエータで駆動するシステム。近年、自動車分野では駆動・制御をサポートするさまざまなシステムの普及拡大に伴い、バイワイヤ制御を中心とした電動化が急速に進められている。
NTNでは今回、こうした市場の動向を踏まえてコア技術である軸受けやボールねじの製品技術とモータの設計技術、車両制御のための電子制御技術と組み合わせ「電動モータ・アクチュエータ」としてシリーズ開発。適用アプリケーションに合わせてモータの軸配置別に「同軸直列タイプ」「同軸中空タイプ」「平行軸タイプ」の3タイプをラインアップした。サイズは小型・中型・大型の3サイズで、構成部品や諸元を共用化し、形式やサイズにバリエーションをもたせたラインアップにより個別設計が不要となり開発期間の短縮に貢献するとしている。
「同軸タイプ」は同軸配置によるコンパクト設計、サイズ・トルク・出力を最適化するマグネットとコアの重ねあわせ構造などが特長。一方の「平行軸タイプ」は樹脂製ハウジング採用による軽量化が図られているほか、パーキングブレーキなどに対応できる逆入力回転防止ユニットの搭載が可能となっている。
なお、今回発表した「電動モータ・アクチュエータ」は、5月25日~27日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2016」に出展される予定だ。