SCSKは5月20日、コールセンターに集まる利用客の声など話し言葉の分析を可能にするソフトウェア「VOiC Finder(ボイスファインダー)」を日産自動車と共同開発し、2016年5月から提供開始すると発表した。価格は800万円(税別)から。
新製品は、従来は分析精度の確保が困難だった一般会話で用いられる話し言葉の分析を行うため、利用客の声をリアルタイム分析する新たなアルゴリズムを両社で共同開発し、SCSKがテキスト分析ツールとして提供。
すでに日産では、顧客や販売会社から得られる生の声を分析し、品質向上に貢献するトータルカスタマーサティスファクション本部で新製品を試験的に利用している。
新製品は、音声認識システムと組み合わせることで会話中にどのような話題があったのかを自動出力し、顧客の質問や不満などの話題を正確に把握し、顧客の声を必要とする部署に即座に届けることが可能になるという。
また、コールセンターでの導入のしやすさに配慮し、応対品質指標として注目されているという「ありがとう率」の自動測定を可能にしたほか、その抽出に必要な辞書設定をプリセットしたことで、通常は数カ月を要する抽出辞書の設定作業などが必要無く、導入後すぐに利用できるとしている。
さらに、コールセンターで扱う「話し言葉」における分析に適しており、書き言葉の分析にも適応可能なため、ソーシャル・メディアにおける文章やコールセンターでオペレーターが残すメモなどは話し言葉に近く、これらにおいても従来以上の分析精度の向上が期待できるという。
加えて、会話中にどのような話題があったのか、顧客の質問や不満などをリアルタイムに出力するほか、リアルタイム分析するために高スペックなサーバなどは不要とし、新しく作成したアルゴリズムは一般的なPCサーバでリアルタイムな出力が可能になることも意識した。そのほか不要表現の除去や会話要点の特定など各種の工夫を取り入れている。