米国に本社を置き、コミュニケーション、コラボレーション、そして顧客エンゲージメントに特化したクラウドサービスをグローバルに提供するインタラクティブ・インテリジェンス。今年の3月23日には、新たなクラウド型コンタクトセンターおよびユニファイドコミュニケーション(UC)サービス「PureCloud」を日本でローンチするなど、日本市場でも活発な展開をみせている。今回、来日したCIO(Chief International Officer)のゲイリー・R・ブロー氏に、同社のグローバル戦略および日本市場への期待などについて話を聞いた。

各国・各地域のニーズを反映したグローバルなUCサービス

――まず、提供している製品・サービスについて教えていただけますか。

インタラクティブ・インテリジェンス Chief International Officer ゲイリー・R・ブロー氏

まずフラッグシップ製品となるのがコンタクトセンター・プラットフォームの「Customer Interaction Center(CIC)」です。CICは1つのシステムで約5000エージェントまでカバーするソフトウェアソリューションで、IP-PBX、ACD、WFM、IVR、ダイアラー、QMなど、コンタクトセンターに必要な全ての機能をオール・イン・ワンで提供します。さらに幅広く活用してもらえるよう、CICの機能をクラウド上で提供する「CaaS(Communication as a Service)」も提供しています。

そしてもう1つの主力製品となるのが、日本でも3月23日にローンチした「PureCloud」になります。「PureCloud」は、インスタントメッセージや、ファイル共有、電話・ビデオ会議など、さまざまな形をとったチーム内のコミュニケーション方法を単一のプラットフォーム上で実現するリアルタイム・コラボレーション・ツールです。日本に先駆けて昨年6月より提供している米国では、政府系機関で既に2万人規模の導入事例もあります。グローバルでも、昨年の第4四半期に約25社が採用し、次の四半期には117社が採用するなど、加速的な成長を見せています。導入規模も、小さいところでは5席から、大きなところでは3万席程度までと幅広くなっています。

コミュニケーション(Communication)、コラボレーション(Collaboration)、顧客エンゲージメント(Customer engagement)といった、UCに必要な「3C」機能をすべてクラウド上で提供するのが「PureCloud」です。

――カスタマーは世界中に広がっているようですが、グローバルでビジネスを展開するための体制はどうなっているのでしょうか。

おかげさまで1994年の設立より、1999年の米NASDAQ上場を経て順調な成長を続けております。現在は米国インディアナポリスに本社を置くとともに、米国外の拠点としてイギリス、オーストラリア、日本など35拠点を構えています。カスタマー数は世界100都市の6000社以上に及んでいます。ちなみに2015年の売上は前年比15%増の約445億6000万円となりました。

――ブローさんの肩書は「CIO」ですが、いわゆる"Chief Information Officer"ではなく"Chief International Officer"となっていますね。

よく紛らわしいと言われます(笑)。ですが、"Chief International Officer"というCXO職を私が名乗っているのは、われわれが会社設立時から常にグローバルを強く意識しながら製品・サービスを提供し続けてきている証でもあるのです。例えば、当社の製品やサービスは、20数カ国の言語に対応していますし、機能やインターフェースなどもそれぞれの国や地域の文化に合わせた内容としています。こうした対応が可能なのも、日本法人をはじめとした各国の拠点の現地スタッフが、それぞれの国・地域のニーズをきめ細やかにフィードバックする体制を整えているからです。