ヤンセンファーマは5月12日、統合失調症の疾患教育ツール「バーチャル ハルシネーション(VH)」を5月16日よりリニューアルし、疾患啓発サイト「メンタルナビ」にて公開すると発表した。

VHそのものは専用のゴーグルとヘッドホンを装着することで、幻覚や幻聴などの症状を疑似体験できるもので、統合失調症に関する理解を深めるための疾患教育(心理教育)などに活用されている。

今回のリニューアルでは、統合失調症の急性期にみられる症状をよりリアルな形で疑似体験できるよう従来のCGコンテンツではなく、認定NPO法人 地域精神保健福祉機構(COMHBO)、精神・神経科学振興財団の髙𣘺清久 理事長らが監修した4種類の実写ムービーコンテンツへと変更される。

統合失調症は、日本国内でも約70万人の患者がいると言われているが、周囲の人にとっては症状が分かりづらい、という課題がある。VHの活用などにより、疾患への理解が進むことで、患者、周囲ともにストレスの軽減を図ることができ、また、周囲の人たちはどういった協力の仕方が良いのかが理解できるようになるという。そのため同社では、こうした取り組みを推進していくことで、統合失調症への理解が深まり、社会的偏見が軽減され、当事者の多くが適切な治療とともに社会生活がしやすくなることへつながることが期待されるとコメントしている。