日本IBMは5月11日、ハイブリッド・クラウド環境におけるデータ活用と多様なデータを扱えるアプリケーション開発を支援するため、ハイブリッド・クラウド対応のデータベース・サービスと製品を拡充すると発表した。
同社は、「Open for Data」という戦略を掲げ、企業がコグニティブ・ビジネスを実現するために必要なデータと、それらのデータを分析するための分析基盤を提供するため、各分野のオープンソース・ソフトウェアへの投資を加速している。
今回、クラウドで提供するデータ分析環境サービス「IBM Cloud Data Services」において、IBM Bluemixを通じて提供するCloudant、dashDB、BigInsights for Apache Hadoop、Apache Sparkなどのサービスに加え、IBM Compose Enterprise、IBM Graph(ベータ版)、IBM Predictive Analytics、IBM Analytics Exchange(ベータ版)が追加された。
IBM Compose Enterpriseは、IBMが2015年7月に買収したComposeのサービスをもとに、Webアプリ/モバイル・アプリの開発者に向けてMongoDB、Redis、Elasticsearch、PostgreSQL、その他のDatabase-as-a-Service(DBaaS)製品を提供する。
IBM Graph(ベータ版)は、ソーシャル・ネットワークなどの人と人や、IoTなどの物と物の関係性を表現するグラフ構造をApache TinkerPop上に構築したサービス。
IBM Predictive Analyticsは、データアナリストがIBM SPSS Modelerを使って作成した「顧客の行動」「機器の故障」などへの予測モデルを、業務アプリケーション開発者がREST APIを使って瞬時に利用できるようにするサービス。
IBM Analytics Exchange(ベータ版)は、分析に活用したり、アプリケーションに統合したりできる150を超えるデータ・セットを集めたカタログ形式のマーケットプレイス。
「IBM DB2 11」は、複数のデータベースを1つの仮想データベースとして扱い、他社製データベースやHadoopなどへも透過的にアクセスできるフェデレーション機能を標準装備することで、ハイブリッド・クラウド環境でのトランザクションおよびアナリティクスの両ワークロードへの対応を強化する。また、インメモリとカラムナー処理などを得意とするBLU Acceleration機能を超並列処理 (MPP) ネットワーク・クラスター・アーキテクチャに導入することで、パフォーマンスが向上する。