日本オラクルは5月10日、JR東日本情報システムがリアルタイム・データ統合製品「Oracle GoldenGate」を活用し、JR東日本の在来線の輸送計画を管理する「輸送総合システム」のリプレースを完了したと発表した。

輸送総合システムは、1990年より稼働を開始し、現在では1日に約1万2000本、輸送人員約1690万人に及ぶJR東日本の在来線の列車ダイヤや車両・乗務員運用などの計画業務を支援している。

輸送総合システムのリプレースは対象領域が広範にわたり、中央サーバー約100台と14のサブシステム、JR東日本管内の乗務員区所や車両センターなどの100カ所を超える現場のサーバ、約1400台のクライアント端末についても、着実に切り替えを完了させる必要があったという。

利用者にシステムの運用制限に伴う負担を発生させないため、新旧システムの並行稼働と段階的な切り替えを前提に検討した結果、Oracle GoldenGateが採用された。

Oracle GoldenGateによるシステムの切り替えは、3段階に分けて実施され、北陸新幹線金沢開業や上野東京ラインの開業に伴う大規模なダイヤ改正が行われた中でも、運行業務に影響を与えることなくリプレースが完了した。

毎日深夜に実行されるバッチ処理では、30分以内という要件の新旧データベース間でのデータ同期における遅延時間を約5分に抑えることができたという。

また、データの比較照合を行う「Oracle GoldenGate Veridata」により、進行中のビジネスプロセスに影響を及ぼすことなく新旧データベース間のデータ不一致を検知でき、通常期よりデータ更新量が増大するダイヤ改正の時期にも、安全かつ確実に切り替え作業を進めることができたとのこと。

JR東日本情報システムは2013年5月にOracle GoldenGateを採用、その後、詳細設計とインストール、同期検証を経て、2014年8月より新旧データベース間の同期を開始し、2014年12月から2015年6月まで、3段階にわたって本番切り替えを実施した。