ラリタン・ジャパンは5月9日、コロケーション施設など多様なデータセンターにおける電気容量や電力使用状況をリアルタイムで表示する分岐回路モニタリング(BCM)システムを発表した。価格はオープン。

新システムはパネル・分電盤、フロアPDU、リモート電力パネル(RPP)、またはオーバーヘッド・バスダクト、電力幹線システムの分岐回路をリアルタイムにモニタリングできる。

また、同サービスではIT装置ラックから上流の電力消費を監視するために、同社の第3世代インテリジェント・ラックPDUと同じ技術を利用。例えば、ある回路の電流がブレーカーの限界に近づいている場合、連鎖的なトラブルを防止できるようにBCMからスタッフにアラートを送信する。

さらに、BCMはモジュール型を採用しているため必要に応じて拡張可能であり、競合ソリューションと比べて優れた費用対効果を発揮するとしている。コロケーション・データセンターに関しては、ユーザーの利用している機器の電力量を可視化し、サービスレベル契約(SLA)を履行できるようにするという。

ISO/IECが定める+/-0.5%というビリング・グレードの精度で消費電力量(kWh)を測定し、電流(A)、電圧(V)、電力(kW)、消費電力量(kVA)、力率などのデータを収集する。Webベースのユーザーインタフェースによるリモートアクセスや、高解像度カラーディスプレイタブレットからのローカルアクセスも可能としている。

加えて、USBスティックでパネル一覧情報をアップロードするだけで容易に設定できるといい、手動入力のミスがなくなるほか、同システムで収集した情報はビル管理システム(BMS)やデータセンターインフラ管理(DCIM)の電力モニタリングソフトウェア(同社のパートナー企業であるサンバードソフトウェアなど)と共有できる。

新システムは導入を容易とし、モジュール式システムでパワーメーター用コントローラ(PMC)、パワーメーター機能モジュール(PMM)、変流器(CT)、各種のエンクロージャーで構成。

導入時にはCTの設置方向を自動検出して向きを調整し、再設置が必要となるようなミスを防止することに加え、CTは装置ラックへの送電を止めずに通電中の回路の周りにはめ込むことができるため、既存のサービスが停止することはないという。