米Adobe Sysytemsは4月26日(現地時間)、電子サインサービスであるAdobe Document Cloud eSignをAdobe Signに名称変更し、Adobe SignがデジタルマーケティングソリューションAdobe Marketing Cloudと連携したことを発表した。

米Adobe Sysytems バイスプレジデント Document Cloud 製品マーケティング担当 Mark Grill氏は、Adobe Signに名称変更した理由を「なぜ、新しいブランドを提供するのかといえば、簡素化、先進線なプラットフォームであることを強調するためだ」と説明した。

米Adobe Sysytems バイスプレジデント Document Cloud 製品マーケティング担当 Mark Grill氏

今回、Adobe SignとAdobe Marketing CloudのひとつであるAdobe Experience Manager (AEM) Formsと連携することで、 ユーザーの使用するデバイスにかかわらず、デジタルフォームの入力から署名までエンド・ツー・エンドの体験を提供でき、クレジットカードの申し込み、政府給付金申請、医療機関で用いられるフォーム類の電子化などが可能になるという。顧客は必要なフォームを入手し、どのデバイスからでも入力し、電子的にサインして、提出後も状況を確認することができる。

Adobe Signの新機能

また、同社ではAdobe SignとAdobe Marketing Cloudを連携することで、Adobe Targetを使ってユーザー体験を改善するパーソナライゼーションや、Adobe Analyticsを使ったパフォーマンス分析および最適化が可能となるとしている。

Adobe Signの例

なお、これらの新機能は2016年5月に提供開始される予定。

また、米Adobe Sysytemsは同日、Adobe Document Cloudと連携するストレージにBoxとMicrosoft OneDriveを追加したことも発表した。これによりBoxユーザーは、これらストレージ上でPDFをプレビューしている時に、数回クリックするだけでAcrobat DCで直接PDFを開いて編集でき、編集内容は自動的に更新されるという。なお、これらの新機能は5月末に提供される予定だ。

BoxとMicrosoft OneDriveとも連携

アドビシステムズ 副社長 マーケティング本部 木ノ本尚道氏は、「最近はデジタルトランスフォーメーションが注目されているが、そこから生み出される顧客体験が重要だ。アドビの戦略は、コンテンテンツとデータを使っていくことにある。そのために3のクラウドを提供しており、今後はこれらを有機的に統合し、End to Endのソリューションとして提供していく。その1つがAdobe SignとAcrobatなどを統合したソリューションだ」と、「Adobe Creative Cloud」、「Adobe Document Cloud」、「Adobe Marketing Cloud」という同社の事業の中核である3つのクラウドプラットフォームの連携を推進していく考えを強調した。

アドビシステムズ 副社長 マーケティング本部 木ノ本尚道氏

また、Mark Grill氏は、「デジタルトランスフォーメーションはバズワードではなく、企業が必ず実現するものだ。現在は80%が紙に依存しているが、それは署名などが必要だからだ。今後は紙をデジタル化するだけでなく、プロセスを合理化する必要がある。そのためのソリューションがAdobe Document Cloudで、紙ベースの文書プロセスを100%デジタル化した優れた顧客体験を提供する」と述べた