ブレインパッドは4月25日、新潟県南魚沼郡湯沢町の神立高原スキー場に、同社のレコメンド・エンジン搭載プライベートDMP(Data Management Platform)である「Rtoaster(アールトースター)」を導入したと発表した。

近年のウィンター・スポーツ人口の減少により、各地のスキー場は来場者増加に繋がる施策の展開が課題になっているという。特に2015年12月~2016年4月のシーズンは、全国的な暖冬による雪不足によりスキー場のオープン時期が遅れるなど、厳しい状況にあった。

このような中で同スキー場は、オンラインで取得したデータを用いてスキー場への来場に繋げるO2O(Online to Offline)の仕組みを構築するため、データの蓄積からアクションまでをワンストップに実現できるプライベートDMPを導入した。

プライベートDMPは企業がさまざまな自社データや外部データを集約し、活用するために構築するデータ基盤。同スキー場は、プライベートDMPによる新たな集客施策を行った結果、雪不足などの厳しい状況にも関わらず、売上高を対前年比1.3倍に拡大したという。

実施した主な施策は、スタンプ会員施策、ポップアップ・アンケートによるユーザー・インサイトの把握、レコメンドによるOne to Oneコミュニケーションの3点。

スタンプ会員施策のイメージ

スタンプ会員施策では、Webサイトで会員登録したユーザーがスキー場に来場した際に、スマートフォンでQRコードを読み込むことで、スタンプを集めることができる仕組みを構築した。従来、同スキー場にはヘビーユーザー向けの会員システムしかなかったが、これによりリピートユーザーやライトユーザーの会員化・囲い込みを実現。

その結果、約7000人の新たな会員を獲得し、来場数は約1万2000回だったという。さらに、ユーザーごとのスタンプ収集数・性別・年齢・居住地・利用スタイル(スキー/スノーボード)など、スタンプ会員の顧客情報の可視化に成功したとしている。

ポップアップ・アンケート機能によるアンケート施策のイメージ

アンケートでは、Webサイト上に表示させる施策を実施し、ポップアップでのアンケート/バナーが現れるタイミングを同プラットフォームで適切にコントロールすることにより、予想を大きく上回る2万件超のアンケートの回答を集めることに成功したという。

また、アンケート回答内容(回答タイミング)とサイトでのユーザー行動情報、スタンプ会員施策で取得したスタンプ会員データを掛け合わせ、より精緻なユーザー・コミュニケーション・プランを設計することで、ユーザーを来場に繋げるための大きな示唆が得られたとのこと。

One to Oneコミュニケーション施策のイメージ

One to Oneコミュニケーションでは、設計したコミュニケーション・プランを基に同プラットフォームでのレコメンドを実施し、車を持たない日帰りスキーユーザーには「日帰り新幹線スキーツアー」を勧めるバナーを表示させる施策などを実施。

これらのユーザーに寄り添ったオンラインでのOne to Oneコミュニケーション施策により、実際のスキー場への来場を促進し、O2Oを実現する環境を同プラットフォームで構築した。