ソフトバンク・テクノロジー(SBT)、エナジー・ソリューションズ(ESI)、サイバートラスト(CTJ)、M-SOLUTIONS(M-SOL)の4社は4月21日、ドローン&クラウドソーラーモジュールIR検査システムのプロトタイプを開発したと発表した。サービスの提供開始は2016年8月を予定しており、同検査システムは特許出願済だという。
経済産業省資源エネルギー庁は、太陽光発電を長期安定的な電源とする「PV100年構想」の中で、30年、40年にわたり電力を供給できる太陽光発電所を増やすため、保守点検を義務化する方向で進めている。
ソーラーモジュール(太陽光発電のパネル)には「ホットスポット」と呼ばれる破損原因となる現象が起こることがある。ホットスポットは製造時のはんだ不良などの不具合や落ち葉などの付着が原因となり、その部分が発熱してモジュールの一部が破損する現象で、発電事業の運営コストに損失をもたらす。
そのため、赤外線カメラを使用した検査によりホットスポットを早期発見することで、発電量の低下やソーラーパネルの交換コストを抑制することが可能となる。ESI、CTJ、SBTは、ドローンのシステム操作環境とセキュアなクラウドサービスの構築を目的として設立されたセキュアドローン協議会に2015年6月より加盟している。
また、2015年10月からはソーラーモジュール検査のサービス化に向けた取り組みを本格化。M-SOLも、2016年4月よりセキュアドローン協議会の正式会員として加盟し、M-SOLを加えた4社が協業し、ソーラーモジュール検査システムのプロトタイプを開発した。
同検査システムは、クラウド上で事前に図面に対応したフライトスケジュールを生成し、自動航行機能を搭載したドローンにオンラインで配布することで、効率よく安全に検査することが可能になるため検査コストが削減されるという。
さらに、従来はモジュール位置の特定と解析、報告書を作成、事業者への報告書の提出まで含めて通常4~5日程度が必要だったが、赤外線カメラとクラウドを活用し、セキュアな通信環境と即日での撮影データ収集・解析が可能になったという。
各社の役割として、SBTはMicrosoft Azureを活用した「IoT構築サービス」によるクラウド環境でのデータの蓄積・解析、ESIがソーラーモジュール検査システム、赤外線サーモグラフィーデータ解析システムの開発、ソーラーモジュール検査事業における事業展開、CTJは第3者認証機関としてドローンとクラウドサービスの電子証明書認証による送受信データの暗号化、機器認証、M-SOLが位置情報を用いて地図上に赤外線センサの情報をマッピングするアプリの開発を行う。