熊本、大分両県で相次ぐ地震に関連してエコノミークラス症候群による死者が出たことを受け、厚生労働省は「足の指を動かす」「足首を回す」運動や、水分補給をすることなどを被災者に呼び掛けた。同省は注意事項やアドバイスをホームページに掲載、チラシを避難所に配布している。
同省は、エコノミークラス症候群を予防するための身近な運動として「足の指でグーをつくる」「足の指を開く」「つま先を地面につけ、かかとを上下に動かす」「つま先を引き上げる」「ひざを両手で抱え、力を抜いて足首を回す」「ふくらはぎを軽くもむ」―を紹介している。また、「水分補給を忘れない」「アルコール摂取を控える」「ベルトをゆるめる」「眠る時は足を上げることを心掛ける」などとしている。
今回の一連の地震に関連してエコノミークラス症候群になった人の実態はまだ正確に把握されていないが、19日には自動車内で「車中泊」していた熊本市内の51歳の女性が同症候群のために死亡した(同市消防局発表)。今後も避難生活を余儀なくされる人は多いとみられ、同省のほか首相官邸も「長時間同じ姿勢でいないでください」と注意を呼び掛けている。
エコノミークラス症候群は、足の静脈に血栓ができ、肺に届いて血管を詰まらせると死亡することもある。飛行機に長時間搭乗した人は座ったままの姿勢が続くために足の血流が悪くなるため、このように命名された。特に高齢者や妊婦、高血圧などの生活習慣病の人は注意が必要とされる。2004年に起きた新潟県中越地震で車の中で寝泊まりをした多くの被災者が発症し、問題になった。
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