電通とクラウディアン、スマートインサイト、Quanta Cloud Technology Japanの4社は4月20日、インテルの協力の下で、屋外広告実証実験プロジェクト(OOHプロジェクト)を発足させ、ディープ・ラーニングを利用する屋外広告の実証実験に取り組むと発表した。

ディープ・ラーニングを用いるリアルタイム道路広告のイメージ

同プロジェクトは、屋外広告におけるターゲティング広告の実用化を目指すもの。これまでターゲティング広告が難しいとされてきた屋外デジタル・サイネージにおいて、人工知能(AI)によるディープ・ラーニングと、IoTが集める膨大な映像情報および属性情報、高速にビッグデータを保存・分析するソフトウェア技術、性能と経済性を備えたハードウェアを組み合わせることで、常に移動するターゲットの属性に合わせた屋外広告をリアルタイムで表示するという。

第1弾として、屋外設置ビデオカメラの映像からリアルタイムに通行状況を判別し、道路沿いのデジタル・サイネージに適切な広告を表示する実証実験を東京都内で行う。

また、デジタル・サイネージへの広告配信に加えて、時間帯別・車種別交通量や走行速度も自動的な計測・数値化が可能なため、従来の人手による計測データとは異なり、常時正確な交通量が把握できるようになるという。

これにより、詳細な媒体価値の測定に加えて、より汎用的な交通量調査などへの応用も期待できるとしている。

今後、インテルを含む5社は自動車向けのターゲティング広告以外にも、ショッピングモールや観光地での行動アトリビュート連動広告、自動車に加えた人(消費者)の行動分析に基づく新しいリアルタイム広告のあり方などについての実証実験も行っていく予定とのことだ。

なお、同プロジェクトにおける各社の役割は以下の通り。

  • 電通:ディープ・ラーニングを利用する屋外広告の企画・販売及び媒体開発
  • クラウディアン:ディープ・ラーニングを利用する実証実験システムの開発及びビッグデータ・ストレージの提供
  • スマートインサイト:次世代データ統合及びディスカバリー製品であるMμgenの提供及び、屋外広告最適化のための分析支援
  • Quanta Cloud Technology Japan:実証実験で必要となる、ディープ・ラーニング用の高性能サーバなどハードウェアの提供
  • インテル:ディープ・ラーニングをCPU上で高速演算するための次世代高速ベクター処理技術の提供