「名古屋ものづくりワールド2016」が4月19日、開幕した。今回が初めての開催となる同展には約700社が出展し、21日までの3日間で2万5000人の来場を見込んでいる。
本稿では、同展内で開催されている「第1回 名古屋 設計・製造ソリューション展(DMS名古屋)」に出展しているトヨタケーラムのブースから注目の出展品を紹介する。
ハンディ3Dスキャナと協働ロボットの合わせ技
同社のブースでまず目につくのはアーム型ロボットを用いた3Dスキャナのデモンストレーションだ。使用しているロボットはUNIVERSAL ROBOTSのUR5で、先端にハンディタイプ3Dスキャナ「HANDYSCAN 3D」を取り付けている。
UR5は把持重量5kg、重量18.4kgのコンパクトなロボット。人間の作業者と同じ空間で稼働することを念頭に置いて開発されているため協働ロボットと呼ばれる。簡単に動作を指定できるダイレクトティーチング機能を備えることが特徴。
同ロボットの先端部に取り付けられているHANDYSCAN 3Dはハンディタイプであるため、優れた可搬性、柔軟な測定作業が可能などのメリットがある。
主に自動車および自動車部品メーカーなどへの展開を見込んでおり、同システムにより製品開発・生産立ち上げ時や抜き取り検査など、同一または類似品の複数回測定・検査自動化により開発の効率化や不良予兆把握・対策による品質安定化を実現するとしている。
振動のある環境でも高精度なスキャンが可能
同じ計測ソリューションでは、3Dスキャナ「MetraSCAN3D」とデュアルカメラセンサー「C-Track」を組み合わせたソリューションも展示。
MetraSCAN3DおよびC-TrackはカナダのCreaform開発した製品で、C-TrackがMetraSCANの位置をトラッキングするため、測定物にシールを貼る必要がなく、測定時間の短縮を図ることができる。両製品の組合せにより、0.085mmの容積精度を実現する。
また、TRUaccuracy技術により、座標系が測定物にロックされるため、測定物との位置情報を維持し、振動のある環境などでも高精度な測定が可能となる。
スキャンしたデータは3D CADに取り込むことができ、リバースエンジニアリングや金型の摩耗検査に活用することが可能だ。