IDC Japanは4月18日、2016年における国内ストレージ需要動向調査の結果を発表した。
それによると、IT部門とは別にユーザー部門が独自のストレージ予算を持つ割合は、大企業では54.1%、中堅中小企業では42.0%を占めたほか、ユーザー部門が持つストレージ予算が今後も増加するという回答は、大企業では60.6%、中堅中小企業では56.8%を占めたという。今回の調査は2016年2月にWebアンケートを実施し、700社から回答を得た。700社の内訳は、大企業(従業員数1000人以上)314社、中堅中小企業(同1000人未満)386社。
ユーザー部門が持つストレージ予算の支出用途では、大企業、中堅中小企業とも「外付型ストレージシステム」「NAS(ストレージベンダー製品)」「NAS(PC周辺機器ベンダー製品)」「ストレージソフトウェア」「ストレージに関する導入/構築サービス」が回答率の上位5項目だった。ユーザー部門は独自のストレージ予算を持っているが、まだオンプレミス環境に対する支出の割合が高いことが分かったという。
一方、ユーザー部門のクラウドサービスに対する支出も増加しており「パブリッククラウド」と「(事業者提供の)プライベートクラウド」に対する回答率は、大企業ではともに18.2%、中堅中小企業ではそれぞれ19.1%、15.4%の回答率となった。
ユーザー部門が独自のストレージ予算を持っている企業に、ユーザー部門のストレージ予算が今後増加するかについて尋ねた結果、大企業では「増加する」が60.6%、「横ばい」が28.8%、中堅中小企業では「増加する」が56.8%、「横ばい」が29.6%となった。また「減少する」という回答は大企業では8.8%、中堅中小企業では12.3%となった。
その理由としては大企業、中堅中小企業とも「ビジネス要請を迅速にシステムに反映する」「ユーザー部門の業務知識を必要とする案件の増加」「ユーザー部門の市場での競争力を強化する」が上位3項目だという。
IDC Japan エンタープライズインフラストレクチャ/PCs グループディレクターの森山正秋氏は「ビジネス要請への迅速な対応や、市場での競争力強化を目的にユーザー部門のストレージ予算の増加は今後も続いていくと予測される。今後のストレージインフラ構築ではユーザー部門、IT部門、ベンダーの3者の協業の重要性が増す」と分析している。