キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンライフケアソリューションズ(キヤノン LCS)は、ベルギー・Materialise(マテリアライズ)社との間で、同社の医療用3Dソフト「Materialise社製医療用 3D ソフトウエア」の国内販売契約を締結したと発表した。同ソフトの販売開始は4月18日。価格は300万円~(税別、ライセンス期間は5年間)。

3D医用画像解析ワークステーション「AZE VirtualPlace」と「Materialise 社製 3D 医療ソフトウエア」を組み合わせて、高精度な実物大の臓器モデルデータを作成

同社によれば、3Dプリンタで造形した実物大の臓器モデルは視覚・触覚による確認ができ、モニター上の3D画像よりも立体的な位置関係を把握することができるため、術前計画や手術シミュレーションの支援、若手医師の教育、患者への説明などで幅広く利用されているという。同社では、医療機関のこうしたニーズに対応するため、「Materialise 社製 3D 医療ソフトウエア」に関する国内販売契約を締結し、医療分野における3D関連ビジネスを強化するとしている。

また、「Materialise 社製 3D 医療ソフトウエア」は、3Dプリント用にSTL等の3Dデータを修正し最適化する技術により、高い品質とグローバルな導入実績を有しているという。同社は同ソフトの発売の背景および目的について、同社のグループ企業であるAZEの3D医用画像解析ワークステーション「AZE VirtualPlace」には、CT(コンピュータ断層撮影装置)の断面画像群から臓器の3D画像を抽出してSTLフォーマットに変換する機能を備えており、「Materialise 社製 3D 医療ソフトウエア」を組み合わせることで、病院内で高度なデータ処理を正確かつ簡便に行え、3Dプリンタに合わせた変換や修正が可能となり、高精度な実物大の臓器モデルデータを作成できると説明している。

なお、同ソフトは、神奈川県・横浜の「パシフィコ横浜 展示ホール」(横浜国際平和会議場)にて4月17日まで開催されている「2016 国際医用画像総合展(ITEM2016)」のキヤノンブースに展示されているということだ。

(左)血管などの内腔の設計や診断支援用の断面生成=写真は大動脈瘤の血管に壁厚をつけた模型/(右)立体形状を維持するための支柱の追加=写真は幼児の手の模型