米疾病対策センター(CDC)は、中南米で流行している「ジカ熱」に妊婦が感染すると小頭症の赤ちゃんが生まれる原因になると断定し、米国時間13日に公式見解を表明した。CDCは「ジカ熱と小頭症との関連はこれまでも強く疑われていたが今回原因となると結論付けた」とし、妊婦が流行地域に渡航しないよう改めて注意を呼び掛けた。

CDC研究者は妊婦のジカ熱感染と、小頭症など赤ちゃんの脳障害との関連についてあらゆる研究データを分析した。その結果「関連は科学的に証明された」と結論付けた。

CDCによると、妊婦が妊娠3カ月ごろまでの初期に感染した場合に重い小頭症になるリスクが高く、妊娠後期の感染でも胎児死亡の症例がある、とした。

CDCは3月25日に今回の見解とは別に対策指針を公表しており、その中で蚊に刺された場合だけでなく、性交渉でも感染することがあると指摘。感染が確認されるか、感染症状が出た場合は、女性は感染から8週間、男性は6カ月間、性交渉を控えるよう呼び掛けている。

ジカ熱はウイルス感染症で、高熱や頭痛、関節痛、発疹などの症状を示し、重症に至らないケースが多く、感染しても約8割は症状が出ないという。現在、ワクチンや治療薬はない。これまで国内で感染が広がった報告例はないが、中南米で流行が拡大した昨年5月以降、ブラジルなど中南米に滞在、帰国した4人が発症している。

世界保健機関(WHO)は2月1日に緊急事態を宣言し、日本政府も同月5日、国内で患者を診察した医師に報告を義務付ける感染症法上の「4類感染症」に指定。4月1日には地方自治体や企業など国全体で蚊の駆除対策を取る国民運動を展開することや、感染を心配する妊婦からの電話相談制度を5月上旬をめどにつくることを盛り込んだ総合対策を公表している。

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