Free Software FoundationのRichard Stallman氏は4月11日(米国時間)、「Interpreting, enforcing and changing the GNU GPL, as applied to combining Linux and ZFS - Free Software Foundation - working together for free software」において、LinuxとZFSを組み合わせることにはライセンス上の問題が存在するという懸念を表明した。同氏はこの問題を解決する方法として、ZFSのライセンスをGPLv2以降のGPLまたはそれに類するライセンスに変更することを提案している。
Canonicalは2016年2月、2016年4月にリリースを予定している次期長期安定版リリース「Ubuntu 16.04 LTS」においてZFSを正式にサポートすると発表した。しかし数日後、Software Freedom ConservancyがLinuxとZFSの組み合わせにはライセンス上の問題が存在する可能性があると指摘。そして今回、Free Software Foundationからも同様の指摘が出たことになる。
Canonicalはコンテナ技術などをZFSを組み合わせて使用することを想定している。CanonicalからZFSのサポートを取り下げるといった正式な発表は行われておらず、Ubuntu 16.04 LTSがリリースされるまでZFSのサポートが取り込まれるかどうかはわからない状況になっている。SFCもFSFも法的な根拠に基づいた意見ではないとしており、実際にライセンスに違反するかどうかは最終的に法廷で議論する必要があるものとみられる。
ZFSはSolarisで開発されたファイルシステム。OpenSolarisの時代に公開されたソースコードをベースにしたOpenZFSが現在でも公開されており、illumosやFreeBSDなど、複数のオペレーティングシステムで利用されている。ZFSはボリューム管理とファイルシステムの双方の機能を提供し、ストレージシステムの基盤ファイルシステムとして広く採用されている。