テクトロニクスは4月12日、電気-光センサを使用したDUT(Device Under Test)とオシロスコープの完全なガルバニック絶縁を可能にした新技術「IsoVu」を発表した。
これまでは、GaNやSiC技術を含むパワー・デバイス設計やその他の高速アプリケーションに携わるエンジニアには、コモンモードの干渉があるなかで差動信号を正確に視覚化する方法がなかった。そのため、これらの信号は隠されてしまい、回路内で何が起こっているのかの確認が困難になり、デバッグや特性評価に時間を要する原因となっていた。また、ノイズが多い環境や、大きなEMIがあるなかでの測定が難しいなどの課題もあった。
これに対しIsoVu技術では、電気-光センサで入力信号を光変調信号に変換することでDUTとオシロスコープを電気的に絶縁することができる。4つの独立したレーザ、光センサ、5本の光ファイバとフィードバック/制御技術で構成され、テスト・ポイントに接続されるセンサ・ヘッドは電気的に完全に絶縁されている。電源は光ファイバ1本から供給される。同技術では、10件の特許が出願されているという。
実証レベルではDC~100MHzで120dB(100万:1)以上、1GHzでは80dB(1万:1)のコモンモード除去を実現しており、コモンモードの干渉なしに、回路のどこでも測定することが可能。同技術を使うことで、DC~1GHzで2kV未満の大きなコモンモード電圧があった場合でも、小さな差動信号(5mV~50V)を正確に測定することができる。また、優れた汎用性に加え、3mの光ファイバ・オプションと同じ性能を持った10mの光ファイバ・ケーブルのオプションも計画されており、これにより、DUTの干渉や放射エミッションからテスト・システムを離すことが可能となる。