STマイクロエレクトロニクス(ST)は4月12日、Open.MEMSソフトウェア・ライブラリに、モーション検知機能の開発を支援する無償ソフトウェアを3種類追加したと発表した。

同社は、今回発表したソフトウェアによって、STのモーション検知技術とARM Cortex-Mプロセッサ搭載の32bitマイクロコントローラ STM32を組み合わせることが可能となり、価格・消費電力・性能のオプションが広がるとする。また、新ソフトウェアは各種機器に搭載された慣性センサのデータから使用者の身体の動きを検知することを可能とするほか、消費電力を最小限に抑えるように最適化されており、身体活動をリアルタイムかつ長期にわたってモニタするフィットネスやヘルスケア向けモバイル/ウェラブル機器に理想的だとしている。

新しいソフトウェア・パッケージ3種類の特徴は以下の通り。

アクティビティ認識(Activity Recognition:AR)用osxMotionARパッケージ

静止、歩行、早歩き、ジョギング、サイクリング、運転など、さまざまな動作・移動パターンからユーザの行動を特定するアルゴリズム。STの慣性モジュール(LSM6DS3、LSM6DS3H、LSM6DSL)を活用することで、センサから取得したデータを低サンプリング周波数で管理し、特定した行動をリアルタイムかつ超低消費電力でフィードバックする。

位置認識(Carry Position:CP)用osxMotionCPパッケージ

モーション・センサを搭載する機器がどのように動かされたかを検知するアルゴリズム。例えば、携帯電話が机の上に置かれているのか、またはユーザが手に持ってディスプレイを表示しようとしているのか、腕を振っている状態か、ユーザの頭部付近にあるのかなどを検知することができる。消費電力を最小化するために、センサのデータは低サンプリング周波数(50Hz)で取得される。

ジェスチャ認識(Gesture Recognition:GR)用osxMotionGRパッケージ

機器を持ち上げる、軽く当てるなど、モバイル機器で行われる動作を検知するアルゴリズム。これにより、機器のさまざまな制御機能を開発することが可能となる。100Hzのサンプリング周波数で慣性モジュールからデータを取得し、ユーザ・プラットフォームによって実行されたジェスチャをリアルタイムで認識する。