IDC Japanは4月11日、2015年に実施したユーザー調査および取材を基に、クライアント仮想化市場のクライアント仮想化ROI(投資対効果)の算出と分析を行い、その結果を発表した。
今回の調査では、「クライアント仮想化導入企業」と「クライアント仮想化を導入かつ、ワークスタイル変革を実施している企業」のROIを比較分析した。その結果、それぞれ、421.2%、453.2%と算出され、ワークスタイル変革実施企業のROIがより高い結果となった。投資額、ベネフィットについても、同様の傾向が見られ、ワークスタイル変革実施企業は、全社目標が設定されているケースも多く、具体的な効果が「見える化」されやすいと考えられるという。
ワークスタイル変革に取り組んでいる企業で、クライアント仮想化導入企業における初期投資額、年次投資額、ベネフィットは、それぞれエンドユーザー1人当たり22万5640円、5万7448円、83万7447円となった。クライアント仮想化製品の従業員普及率(クライアント仮想化製品を使用している従業員の割合)は41.7%で、エンドユーザーの1日当たりの平均使用時間は約3.68時間(1日8時間勤務と想定した場合)となった。
また、クライアント仮想化製品の導入によって、エンドユーザー、IT管理者およびITスタッフ、企業全体でそれぞれ28.0%、35.9%、34.2%の生産性向上などの便益増加が見られたとしている。
IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は「ITの有用性を測定する定量的指標としてROIは有効な指標のひとつである。今後、適正かつ健全なIT投資/活用が経営戦略上不可欠であり、ROI分析によって、クライアント仮想化がエンドポイントにおける重要なIT施策のひとつと捉えられる」とコメントしている。