富士フイルムは4月11日、病院内の各診療科のシステムや異なるメーカーのPACSに保管されている診断画像、各種動画などの多様な診療情報を一元的に管理・保管できる統合アーカイブシステム「SYNAPSE VNA」を、富士フイルムメディカルを通じて4月15日より発売すると発表した。
病院内の診療情報は、放射線科、循環器科などの各診療科ごとに専用のPACSやシステムで異なったルールに基づいて管理・運用されるなど、独立した状態で存在していることが多い。同システムでは、これらの診療情報を共通ルールで一元的に管理・保管することが可能で、各診療科システム専用のビューワから参照することができる。患者ごとに複数の診療科の情報を一覧することも可能となっている。
また、各診療科のシステムに保管されている診療情報を集約して保管できるため、システムを更新する際に新旧システム間で必要となるデータ移行において、作業面・コスト面の負担を軽減できるうえ、グループ病院などの複数施設の診療情報を一元的に管理し、共通のルールで運用することも可能となっている。さらに、SAN(Storage Area Network)のほか、スケールアウトNASを採用可能で、システムのディスク容量やパフォーマンスを自由に拡張できる。
同システムは、国内有数の画像データ量を持つという大阪大学医学部附属病院に先行導入されており、稼働を開始している。同病院は「大量の診断画像データが管理されているが、他社システムからの移行もスムーズに行うことができた。将来的には、院内・病院間でのデータ保存・共有を発展させていく基盤となると期待している」とコメントしている。
なお、同システムは4月15日~17日にパシフィコ横浜で開催される「2016国際医用画像総合展(ITEM2016)」に出展される。