トレジャーデータは4月7日、2016年4月より、プライベートDMPソリューションとして「TREASURE(トレジャー) DMP(ディーエムピー)」の提供を開始したと発表した。
「TREASURE DMP」は、同社が提供してきたデータを分析し可視化するクラウド型データマネージメントサービス(DMS)「トレジャーデータサービス」を基盤にしたDMPソリューション。デジタル広告配信ログ、Webサイトの閲覧履歴、サーバログ、モバイルアプリの利用ログ、CRMやマーケティングオートメーションのデータや、入店履歴に代表されるBeaconなどのセンサーデータ、購買データなどをクラウド上のストレージ領域に取り込み、分析・セグメント化して、各種マーケティングツール・サービスと連携してマーケティング施策を実行できる。
たとえば、購買データを組み合わせ、月間3万円以上購入しているユーザーをTREASURE DMPで抽出。抽出データを、既存のマーケィティングツールに渡し、ターゲティングメールを配信するといったことができる。実施したマーティング施策の結果(開封率やクリック率など)は、再度、TREASURE DMPに取り込み、新たなデータとして利用できる。また、データを定期的に自動集計し、しきい値を超えたら、マーケィティングツールに渡すといったことも可能だという。
さらに今回、統計データや天気など、一般的なサードパーティデータを提供するデータマーケットプレイスも提供。自社のデータと組み合わせて分析できる(サードパーティデータの利用には別途費用がかかる)。
なお、「TREASURE DMP」は、2016年4月、資生堂ジャパンが運営する総合美容サイト「ワタシプラス」に採用。 同サイトは美容情報、各種ブランドサイトを束ねた店舗検索、EC機能、Webカウンセリングなどを提供し、化粧品や美容についての質問や悩みに、様々なデジタルコンテンツを通じて応えるWebサービス。
同社では「TREASURE DMP」で複雑化している各種マーケティングデータを一カ所に集約し、マーケティングオートメーションと連携させることで、メール配信、LINEメッセージ配信、コンテンツ出し分け、広告配信、プッシュ通知など、各種マーケティング施策をワンストップで実現するという。
トレジャーデータ 代表取締役社長 三橋秀行氏はTREASURE DMPを提供する背景を次のように説明した。
「DMSは日本では150社に利用され、順調に事業は拡大している。当初はゲームやSNS業界が中心だったが、最近では、アドテク企業、流通サービスの方にもお使いいただいている。アドテク企業では顧客とのデータ連携基盤として使わており、昨年あたりから広告主とのデータ連携基盤として使いたいというニーズも出て来ている。企業には、広告・宣伝、マーケティング、サポートなど、部門ごとに顧客接点が異なり、データもバラバラでサイロ化しているという課題がある。そこで、これまで弊社はソフトウェアコンポーネントを提供していたが、これからはシステム基盤としても提供していきたい」(三橋氏)
また、自社でマーケティングツールも提供する可能性については、トレジャーデータ マーケティングディレクター 堀内氏は「すべてを持つのは不可能で、連携でやっていく」と否定。既存のDMPソリューションに対する優位性について同氏は、「自社の会員データをセグメント化するだけであれば既存製品でも可能だが、購買データなど膨大なデータを組み合わせて利用するのは難しいだろう」と指摘した。