SAS Institute Japan(SAS)は4月7日、塩野義製薬がSASのHadoop対応製品の一つである「SAS In-Memory Statistics for Hadoop」の機械学習エンジンを活用し、臨床開発業務で使用されるSASプログラムとその関連文書を自動生成する人工知能(AI)アプリケーションの開発に着手したことを発表した。
同プロジェクトではAI技術により、統計解析の専門知識が必要とされてきた臨床試験の解析業務の多くを自動化し、新薬開発のための臨床試験解析業務のコスト削減と時間短縮を達成するとともに、人の介在に起因するヒューマンエラーの低減を目指す。
SASによると、現在、臨床試験における解析業務では事前に作成された解析設計書を読み解き、計画した分析手法をSASプログラム上で実行する必要があるため、統計解析の専門知識を持った解析担当者がプログラムスキルを駆使し、新しいSASプログラムを作成しているという。
検討の結果、これらの業務に人工知能アプリケーションを活用することで、大幅な効率化が見込めることが判明し、2016年度内の完成を目指して開発に着手することとなったとしている。
また、解析設計書や解析プログラム、そのログや出力結果など、さまざまな形式のデータを活用し、高度なスキルを必要とする臨床解析業務に対してAI技術を用いたパターン化を行う。さらに、SASのデータ加工機能とコンポーネント化された最先端の機械学習アルゴリズム、柔軟なアーキテクチャにより、高い開発効率とガバナンスを提供するとしている。