NECは4月6日、4K映像のリアルタイム処理を実現するコーデックの新製品としてエンコーダ「VC-9700」ならびにデコーダ「VD-9700」を2016年7月に発売すると発表した。
新製品は映像符号化方式「H.265/HEVC」を採用し、大容量である4K映像データを約500分の1まで圧縮処理可能なため、伝送するデータの帯域を大きく削減することができる。また、映像の符号化には同社が地上波デジタル放送開始以前から培ってきた高画質アルゴリズムを適用し、色域や輝度の幅をそれぞれ拡大する技術であるBT.2020やHDRに対応した。 また、約99ミリ秒という超低遅延で4K映像の圧縮・伸長処理を実現したほか、音声データについては、低遅延圧縮を実現するMPEG-4 AAC ELD規格に対応することで、従来製品よりも音声圧縮に割り当てるビットレートを削減し、映像圧縮により多くのビットレートを割り当てることができる。
4K映像に加えHD/SD映像の圧縮・伸長も可能で、映像符号化方式としてエンコーダはH.264に対応(オプション機能)し、デコーダはH.264とMPEG-2にも対応しているため、既存システムとの互換性を確保し、併用運転が可能な効率の良い運用を実現するとしている。さらに、映像や音声信号を暗号化する「スクランブル方式」や、ネットワークでの安定したデータ伝送を実現する「誤り訂正方式」に対応し、衛星やIPネットワークによる伝送も可能だ。