オートデスクは4月6日、「Autodesk Inventor」「Autodesk Vault」など製造業向けアプリケーションの最新バージョンを同日より順次発売すると発表した。
Autodesk InventorをProfessionalに一本化 価格はスタンダード版
3D CAD「Autodesk Inventor」はこれまで一部機能を制限したスタンダード版とProfessional版を提供していたが、2017バージョンからはこれを「Autodesk Inventor Professional 2017」に一本化。価格をスタンダード版に合わせながら、全ての機能を提供する。価格(税別、シングルユーザー、1年間サブスクリプション)は28万9000円で、発売は4月6日。
新機能としてはSTLなどポリゴンメッシュデータの編集機能を改善し、メッシュデータのエッジを参照してInventorでソリッド化して新規設計を行うことが可能となった。また、複数の設計条件から最適な形状をコンピューターが作成する「シェイプジェネレーター」を搭載した。さらに、他社CADのデータを参照しながら設計作業を進められる「AnyCAD」機能が中間フォーマットであるSTEPに対応したほか、「AutoCAD」のDWGファイルとの連携機能を向上させ2DのDWGデータの変更が3Dモデルにすぐに反映されるようになった。このほか、3D PDF出力のサポートや、プロジェクトメンバー間のリアルタイムコラボレーションを実現する「オンライン設計」機能を搭載した。ちなみに、ユーザーによる事前アンケートでは前述の3D PDF出力機能が人気No.1だったという。
データ管理ソフトウェア「Autodesk Vault 2017」ではセキュリティ設定の強化や、操作性が向上。また、Professionalでは工場設計向けアプリケーション「Factory Asset」との連携が強化された。また、Vault Workgroup以上では、流用設計のコピー先フォルダの一括置き換えが可能なほか、ProfessionalではInventor AnyCADの元データをアイテムとして管理・出力できるようになった。価格(税別)はOffice 2017が1年間サブスクリプションで4万1000円、永久ライセンスが8万1000円。Workgroup 2017が1年間サブスクリプションで8万1000円、永久ライセンスが16万1000円。Professional 2017が1年間サブスクリプションで15万4000円、永久ライセンスが30万5000円となっている。発売日は3製品とも4月12日。
また、Inventor上で稼働する構造解析アプリケーション「Autodesk Nastran In-CAD」では、解析結果の表示方法について関連結果をグループ化したり、高速に表示させるなどの改善が図られた。価格は(税別、マルチユーザー、1年間サブスクリプション)で54万5000円。発売日は4月6日。
Inventor上のCAMアプリケーション「Autodesk Inventor HSM」では、彫刻加工に対応したツールパスや高能率加工に対応した負荷制御ツールパスを新規搭載した。価格(税別、シングルユーザー、1年間サブスクリプション)はAutodesk Inventor HSM(スタンダード版)が37万7000円、Autodesk Inventor HSM Proが59万3000円となっている。発売日は4月11日。