日本ナショナル・インスツルメンツ(日本NI)は4月5日、記者会見を行い、4月1日付で新たに代表取締役に就任したコラーナ マンディップ シング氏が今後の抱負などを語った。
同氏は1995年に同社にアプリケーションエンジニアとして入社。以降、マーケティングマネジャー、事業開発本部長などを経て、2014年より営業統括本部長に就任し、営業部と技術部を率いてきた。また、これまでおよそ15年にわたって同社を率いてきた池田亮太氏はAPAC担当 マーケティングディレクタに就任し、APAC地域に対し、どういった販売手法をとっていくか、うまく進んでいる事例、うまく進んでいない事例などを本社と連携し、世界規模での販売支援を行っていくという。
こうした人事戦略の指揮を執ったNational Instrumentsのアジア/パシフィック担当バイスプレジデントであるチャンドラン ネア(Chandran Nair)氏は、「グローバル戦略を進めていくにあたって、地域化と組織化を進めていくことを目指し、地域ごとにマーケティング担当を配置することを決めた。そこに池田氏を据えた上で、日本地域もさらに強化していくことを目指し、コラーナ氏を新たな社長を指名した」と、今回の人事の背景を説明する。また、コラーナ氏を新社長に据えた理由については、「技術にも明るく、顧客のニーズも理解したうえ、さらに日本NIのチームとしての課題なども熟知しており、池田氏の後任としてこれほど最適な人物はいなかったため」だとする。
そのコラーナ氏、新たなリーダーとして示す方向性としては、「これまでの池田氏が築いてきた方針を基本的には踏襲していく」としつつ、「第一に顧客の成功を念頭においた体制強化を進めていく」ともしており、営業面などを中心に、パートナー企業の技術力やソリューション力の強化を図っていきたいという。この取り組みについて同氏は、「顧客の成功を考えると、ますます技術が発展し、複雑化していく中、自社だけで顧客の成功を導くのは難しくなっていく。そうした意味で、我々のコンポーネントを活用するエコシステムを構築し、今後求められていくソリューション」を提供していける体制を築く必要があるとの見解で、パートナー企業のエンジニアなどのさらなる技術力の強化などを実現するトレーニングなどを手厚く実施していきたいとしている。
なお、同氏は「成長はNIのDNAの一部」と述べており、複雑化する顧客企業の最終製品の作りこみをテスト/計測的な側面から支援していくことで、自社としての成長を図っていければと抱負を語ってくれた。