富士フイルムは4月1日、IoTやAIといった高度なICT化に対応した情報基盤技術の強化と応用拡大を図るために、ビッグデータ解析などの情報科学の最先端技術やソフトウエアの基盤技術の研究開発を行う新組織「インフォマティクス研究所」を設立した。所在地は、神奈川県開成町にある同社先進研究所内。今後、東京都内にも分室を設ける予定だ。

同社はこれまでも、画像のビッグデータ解析に機械学習を用いてきた。例えば、写真分野では、独自の画像解析技術「Image Organizer」を開発し、大量の画像から自動的に良い画像を選択し1冊のアルバムに編集できる「Year Album」というサービスを提供。また医療分野では、CTやMRIなどによる断層画像から高精度な3D画像を構築する「ボリュームアナライザー SYNAPSE VINCENT」を開発している。

今回、情報基盤技術の強化と応用拡大を図るため、複数の研究現場に分散しているデータサイエンティストを集約して、新たに「インフォマティクス研究所」を設立。同研究所では、国内外の大学や研究機関、企業との連携を強化して、ビッグデータ解析などの情報科学の最先端技術やソフトウエアの基盤技術の研究開発を行っていくという。併せて、データサイエンティストも育成するという。

今後、同研究所で開発した情報基盤技術を、新規材料や製品、IoT社会に適したソリューションサービスの創出に活用する。さらに、開発技術を、精緻な需要予測に基づいた効果的なマーケティングに用いるとともに、事業計画の立案・遂行といった企業活動全般にも応用していくとしている。