ウイングアーク1stは3月30日、リアルタイム分析を可能にしたBI(ビジネスインテリジェンス)ダッシュボード「MotionBoard」と集計・分析プラットフォーム「Dr.Sum EA」の最新版を発表した。

リアルタイムで取得データを可視化する「MotionBoard」

ウイングアーク1st 代表取締役社長 CEO 内野弘幸氏

「MotionBoard」は、企業システム内などに蓄積された膨大な情報を可視化する情報活用ダッシュボード。最新版では、IoT(Internet of Things)のデータに対応するなど数々の新機能を搭載した。

具体的には、さまざまな機器などから発生するデータをリアルタイムに処理し、即座に可視化できるほか、新開発のスマートフォン用アプリ「IoT Agent」を利用すれば、スマートフォンの各種センサーなどから、データを収集できるという。

GIS(地理情報システム)ツールレベルの機能を標準で搭載

また、地図機能も強化。訪問先の住所を複数指定して最も効率的に巡回できるルートを提示するルート検索機能の追加や、特定の場所から指定した時間で到達できる範囲を算出する到達圏分析が可能になった。その他にも、MotionBoardで分析した結果を従来のPDF出力に加え、Excel・PowerPointへの出力にも対応し、資料作成やデータの2次利用がしやすくなった。

運送業の例、配達先の住所を入力すると効率的な配送ルートを提示する

MotionBoardのラインアップは、パッケージ製品とクラウドサービスとの2パターン。パッケージ版「MotionBoard Ver.5.6」は全機能を搭載している。また、クラウドサービスである「MotionBoard Cloud」では、IoT利用向けの「IoT Edition」を新たに用意した。今回発表された製品は、いずれも最上位エディションとなる。

価格(いずれも税別)は、クラウド版「IoT Edition」が月額9万円(10ID)から、パッケージ版「MotionBoard Ver.5.6」が100万円(5ユーザー)から。提供時期は、クラウド版「IoT Edition」が2016年4月25日、パッケージ版「MotionBoard Ver.5.6」が5月16日となっている。

最新版では、リアルタイムなデータ分析・可視化に対応

BI技術本部 島澤甲氏は「これまでは、ある程度蓄積したデータを分析・可視化していたが、今後はデータの変化をすぐに把握できるに完全リアルタイムな分析環境が求められている」と話す。MotionBoardの業種別導入割合は、現状43%を製造業が占めているが、今後は加えて小売業、物流、金融などの幅広い業種での導入を目指す。

利用状況の監視機能を新搭載した「Dr.Sum EA Ver.4.2」

一方、集計・分析プラットフォームの最新版「Dr.Sum EA Ver.4.2」のキーワードは、「運用系強化」「利便性向上」の2つ。利用状況のモニタリングや、メンテナンスを容易にする新機能を搭載し、システムの運用性を向上させたほか、業務現場のデータ活用環境を快適にするレポーティング機能を強化した。

また、クラウド型の帳票サービス「SVF Cloud」と連携し、クラウドサービスを利用した手軽な帳票出力を実現。「Dr.Sum EA Datalizer」で出力された集計結果を、「SVF Cloud」で定型レポート(PDF)に出力する機能もあるという。社内の誰もが使える環境として、基幹システムとしての位置付けを狙う。「Dr.Sum EA Ver.4.2」は、2016年4月21日に発売する。