キヤノンオプトロンは3月30日、流水・水拭きに対して高い耐久性を示す親水コーティング用材料を開発したと発表した。

同材料は、従来の光触媒や有機材料による親水性コーティングと異なり、リン酸カルシウム系のセラミックス蒸着材料で、流水・水拭きに対する耐久性を示し、長期間効果を発揮する。光触媒のように表面を活性化させるための太陽光などを必要とせず、有機材料のように頻繁に繰り返し塗布する必要がないため、従来では使用が困難だったさまざまな場所でも使用可能だとする。

リン酸カルシウム系の材料は、骨や歯の主成分と類似しているため環境への負荷が少なく、取り扱いが安全というメリットもある。また、今回開発した親水コーティング用材料は透明性が高いことから、ネットワークカメラのレンズカバーをはじめ、ゴーグルや眼鏡など水滴による視界不良が問題となるさまざまな製品への活用が見込まれている。

同材料は2016年6月に試作サンプルの提供を開始し、9月に製品化する予定となっている。

親水コーティング材料を使用していない場合としている場合の比較(青枠に囲まれている写真がコーティングなし。赤枠に囲まれているのがコーティングあり)