IDC Japanは3月23日、モバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウドの4要素で構成される第3のプラットフォーム市場の産業分野別および従業員規模別予測を発表した。

それによると、2016年の国内第3のプラットフォーム市場は、前年比成長率7.0%となり、国内IT市場(1.4%)や国内ICT市場(0.4%)よりも高い成長率を予測しているという。

産業分野別では、オムニチャネル戦略に注力している小売業界、製造現場での活用が顕著な組立製造業などの成長率が顕著で、企業規模別では、円安効果で業績を伸ばした大企業を中心に成長率が高くなる見込みだという。

今後、第3のプラットフォーム市場は企業向け市場を中心に成長し、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は5.0%と、国内IT市場のCAGR(1.1%) 、国内ICT市場のCAGR(マイナス0.1%)を大きく上回り、2019年には約9兆9,758億円に達すると予測する。

国内第3のプラットフォーム市場 支出額予測: 2014年~2019年(出典:IDC Japan)

予測期間前半では、すでに一般消費者に行き渡ったモビリティをベースにクラウド、ソーシャル市場を取り込んで成長し、後半にはビッグデータ市場の成長も誘発。第3のプラットフォームの事業戦略への活用については、予測期間前半は大企業が中心となり、後半は中堅中小企業でも活用するケースが増えていくという。

一方で、国内企業の6割以上が、第3のプラットフォームによる事業戦略の全社展開にはまだ時間がかかる見込みで、企業の中でも成長志向の高い部署を見極める必要があるとしている。

例えば小売業界、銀行業界などにおけるオムニチャネル戦略関連部署や、製造業におけるマーケティング部署等、モビリティを活用する一般消費者向けに製品/サービスを提供する分野での成長は顕著であるとみている。

IDC Japan ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は「ITベンダーは、第3のプラットフォーム活用のカギを握る大企業に対して、投資が進む見込みのある業種に着目するばかりでなく、社内で活用が進む部署にも着目し、モデルケースとなる実績を作ることにより、全社的な展開に結び付けていくべきである」と述べている。