ユーグレナは3月22日、植物由来の油から炭化水素燃料を効率的に生成することができる研究結果を確認したと発表した。
同成果は、同社と信州大学との共同研究によるもので、3月14日に行われた「化学工学会 第81年会」にて発表された。また、同社は発表内容に関する結果について、2015年11月4日に特許出願をしている。
植物由来の油から炭化水素燃料を取り出すためには、酸素分子を取り除くための水素化処理が必要になり、設備投資のコストが増加するという課題がある。そこで今回の研究では、飽和脂肪酸を主成分とするココナッツ油と、不飽和脂肪酸を主成分とするヒマワリ油のそれぞれと、これら2つの油を混ぜた油に対して、接触分解反応を用い、水素化処理を行わずに炭化水素燃料を取り出すことを試みた。
この結果、ヒマワリ油、およびココナッツ油とヒマワリ油を混ぜた油において、炭化水素燃料の収率の増加を確認。これにより、不飽和脂肪酸は接触分解で炭化水素燃料を生成しやすいこと、飽和脂肪酸は接触分解では炭化水素燃料を生成しにくいが、不飽和脂肪酸を混合することで炭化水素燃料の収率の増加を促進できることがわかった。
同社は、今後も植物油や微細藻類由来の油を生成する研究を進めることで、水素の供給を受けられないようなインフラが限定された地域においても、炭化水素燃料の製造を可能とする技術の開発を目指していくとしている。