リニアテクノロジーは3月17日、デュアル・フィードの大電力テレコムおよびデータコム・ボード向けのダイオードORコントローラ「LTC4371」の販売を開始したと発表した。
同製品は冗長電源間でシームレスな切り替えを行い、パワー・ショットキー・ダイオードおよび関連するヒートシンクをNチャネルMOSFETに置き換えることで、電力損失、電圧降下を低減。落雷によるサージ、負荷の切り替え、電源の短絡時に発生する±300Vもしくはそれを超える電圧トランジェントに耐えるようにされている。シャント安定化電源を内蔵し、暗電流が350μAで、高インピーダンスのドレイン・ピンを備えているので、大きな値の外付け抵抗を使って、このような高電圧トランジェントが発生した場合にデバイスの電流を安全に制限することができるとしている。また、外付けのトランジェント電圧サプレッサが不要なので、コストと基板面積を節減することができる。
さらに、理想ダイオードMOSFETの順方向電圧降下を15mVという低い値に制御して、大電流アプリケーションでの電力損失を最小限に抑えるほか、リニア・サーボ技法により、DC逆電流を防ぐとともに、電源切り替え時のスムーズな電流転送を実現している。加えて、入力電源の短絡時は、2Aの強力なゲート・ターンオフ電流によってトランジェントの逆電流を最小限に抑え、5mAの強力なゲート・プルアップ電流により、MOSFETを高速でオンできるためAC整流アプリケーションが可能となる。50Aや100Aの大電流アプリケーションで複数のMOSFETを並列接続する際は、大きなゲート電流によって十分な駆動を行う。内蔵のシャント・レギュレータにより動作電圧範囲が数百ボルトに広がり、最低4.5Vの電源電圧により-5Vおよび-12Vの低電圧OR接続アプリケーションも対応可能となっている。
LTC4371は0℃~70℃のコマーシャル温度範囲と-40℃~85℃のインダストリアル温度範囲で仕様が規定されており、10ピンMSOPパッケージと3mm x 3mmDFNプラスチック・パッケージで供給される。1000個時の参考単価は2.50ドルからとなっている。