日立製作所は3月16日、米カリフォルニア州サンタクララ市にFinTech分野の研究開発組織「金融イノベーションラボ」(Financial Innovation Laboratory)を設置することを決定した。

同ラボは、北米社会イノベーション協創センタ(Global Center for Social Innovation-North America)のシリコンバレー拠点内に設置し、2016年4月から活動を開始する予定。今後、FinTech分野の中核技術として注目されているブロックチェーン技術などの研究開発や、金融機関の顧客と課題を共有し、ともにソリューションをつくり上げる取り組みを進めていく。

同社は2015年4月に事業機会を見出し、事業コンセプトやビジネスモデルをつくり上げる研究開発組織である北米社会イノベーション協創センタを設立し、2016年1月にはシリコンバレーに新拠点を開所している。

また、2015年12月にスマートフォンを用いたキャッシュカードレスでの金融取引を実現する「日立モバイル型キャッシュカードサービス」を日本国内の金融機関向けに販売開始したほか、2016年2月には米国の非営利団体The Linux Foundationが設立したブロックチェーン技術の国際共同開発プロジェクト「Hyperledgerプロジェクト」にボードメンバーとして参画するなど、FinTech分野の取り組みを加速している。

今回、金融イノベーションラボの設立により、シリコンバレーを拠点としてブロックチェーン技術をはじめとする研究開発や顧客との協創の取り組みを進め、金融機関の業務革新を支援するソリューションを提供していくという。