オージス総研は3月15日、同社の生産ライン向けデータ分析ソリューション「マドラー」を宇部興産が採用したことを明かした。
「マドラー」は生産設備の各種センサーから出力される圧力、温度や製品検査などのビッグデータを統計解析を使って分析し、製造機器の異常や不良品発生の検知を行い、生産品質や歩留まりを改善するためのソリューション。オージス総研がさまざまな分野で培ってきたデータ分析力に加えて、導入する生産ラインやプラントの製造理論に基づき、データを選別し、最適な分析ロジックを導出する点を特長とする。
今回は宇部興産が保有する化学プラントの異常予兆検知システムのコアエンジンとして適用し、およそ1000個のセンサーから出力されるビッグデータをもとに異常検知を行う。これにより、これまでは閾値を超えないとわからなかった異常を発生前に検知することや、ライン停止などのリスク低下、少人数の職人しか行えなかった判断がいつでも可能になるなどの効果が期待されている。
なお、データ収集やUIは宇部情報システムが担当し、4月から稼働させる計画。また、宇部興産ではほかの化学プラントへの展開、品質データの分析、化学プラント以外への適用も検討していく予定だ。