ルネサスエレクトロニクス(ルネサス)は3月14日、車載制御ユニット(ECU)内に流れる電気のオン・オフをになるメカニカル・リレーからの置き換えが可能なインテリジェント・パワー・デバイス(IPD)のサンプル出荷を同日より開始すると発表した。
IPDとは、スイッチング素子のパワーMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果型トランジスタ)に加え、各種保護機能および自己診断出力機能を実現する制御回路を1つのパッケージに内蔵したパワー半導体のこと。
今回は「RAJ280002」など6品種を発表。新製品はオン抵抗1.6Ω(RAJ280002のTch=25℃におけるTyp値)の低オン抵抗を実現したことによりモータやヒータなどの大電流アプリケーション向けメカニカル・リレーの置き換えが可能となっている。また、電源電圧3.2Vという低電圧動作により一時的に電圧が低下するクランキングに対応したほか、RAJ280002はアクティブクランプ耐量1700mJを実現するため、同社従来のライティング制御以外へ採用することが可能。
ルネサスは、同製品の採用によりユーザーは、従来のライティング制御をはじめとする小・中電流アプリケーションだけでなくモータやヒータ用途といった ECU についても半導体化を推進できるため、小型・軽量・低消費電力かつメカニカル・リレーと異なり接点摩耗が無く、各種自己保護機能により高い信頼性を持つシステムを構築することができるとしている。
量産は2017年1月より開始し、2018年1月には合計で月間85万個を生産する計画で、サンプル価格は製品によって異なるがRAJ280002の場合では400円/個となっている。