東北地方太平洋沖地震発生直後から5年間で東北地方太平洋沿岸地域を中心に地盤の隆起と東向きの水平地殻変動が続いていることが、国土地理院の公表した測量結果で明らかになった。地盤隆起は40センチメートル、水平方向の動きは1メートルを超すところもある。

国土地理院提供

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2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0)では、東北地方の太平洋沿岸で大きな地盤の沈降が観測された。東方向に地殻がずれる水平地殻変動も東日本の広い範囲に及んだ。最も変動が激しかった宮城県牡鹿半島周辺では、沈降は1メートルを超え、水平方向にも5メートル以上の変動が観測された。

国土地理院によると、地震の後も地殻の動きは続いている。宮城県から千葉県にかけての太平洋沿岸の地盤が隆起に転じ、岩手県沿岸と奥羽背梁山脈付近は沈降している。5年間の隆起量は宮城県の牡鹿基準点(石巻市)で43.0センチ、矢本基準点(東松島市)で35.7センチ、岩手県の岩手川崎A基準点(一関市)で23.4センチ、福島県の相馬1基準点(相馬市)で19.7センチ、茨城県の北茨城基準点(北茨城市)で12.5センチとなっていた。隆起は、関東甲信越地方と青森県から北海道の襟裳岬付近にかけての地域にも見られる。

水平方向の動きも、東北地方から関東甲信越にかけて東向きの変動が続いた。5年間の累積変動量は、宮城県の牡鹿基準点で101.0センチ、矢本基準点で112.1センチ、岩手県の岩手川崎A基準点で127.8センチ、山田基準点(山田町)で125.7センチ、福島県の相馬1基準点で94.2センチ、茨城県の北茨城基準点で48.3センチ、千葉県の銚子基準点(銚子市)で50.0センチ、青森県の八戸基準点(八戸市)で43.1センチとなっている。

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