富士通とPT.Fujitsu Indonesia(富士通インドネシア)は3月9日、独立行政法人 国際協力機構インドネシア事務所の委託を受け、インドネシア共和国 北スラウェシ州 マナド市向けに、AR技術を導入した河川情報システムを構築したことを発表した。
インドネシア共和国北スラウェシ州にある、公共事業・国民住宅省マナド河川流域管理事務所と共同で、2月23日から3月18日まで、本システムの実用性と有効性を評価する実証実験を行う。
同システムは、日本国内での河川情報システム開発実績とノウハウを生かし、富士通が富士通インドネシアと共に構築したもの。観測者がスマートフォンの水位計測アプリを使って計測した水位と写真のほか、観測者が入力した周辺の状況情報を富士通のデータセンター内に集約して蓄積し、各観測地点の水位変化を可視化したグラフとともに、地図上にプロットして提供する。
スマートフォン・アプリには、富士通のAR統合基盤製品「FUJITSU Software Interstage AR Processing Server」を活用しており、観測者がマナド市内の河川流域に設置されたARマーカーをスマートフォンのカメラで読み込むと河川写真上にスケールを重畳表示し、画像の水面をタップするだけで水位を数値化できるという。
今回の実証実験では、マナド市内の河川流域1カ所にARマーカーを設置し、防災に役立つ精度の情報収集が可能かどうかの検証と、同システムにより、PUマナド河川事務所の関係者が河川水位の変化を迅速に把握・共有することが、河川管理における状況判断に有効かどうかの検証が目的としている。