大日本印刷(以下:DNP)は、電子ペーパー世界大手のE Inkホールディングス(以下、E Ink社)と協業し、セールスプロモーション分野およびセキュリティ分野での新製品開発と、日本および東南アジアを中心とするグローバル市場での販売を共同で進めていくと発表した。

両社は、目に優しく省電力なE Ink社の電子ペーパーを搭載したセールスプロモーション用製品やセキュリティ用製品を新たに共同開発し、DNPの販売網を通じて提供するという。また、DNPのディスプレイの表面処理技術や背面基板技術、ICカード製造技術と、E Ink社の電子ペーパー技術や電子ペーパーの色制御用ソフトウエアを組み合わせるなど、技術開発面でも相乗効果を発揮して、市場のニーズや環境に配慮した製品開発を進めていくという。

例えば、E Ink社の電子ペーパー「PRISM(プリズム)」を搭載してアイキャッチ効果を高めた店頭POPや、残高表示が可能なICカードなどを開発・提供し、日本国内に加えて、東南アジアを中心にグローバル展開し、電子ペーパー事業の拡大を目指す。

アイキャッチ効果を高めた店頭POPの例

PRISMは、柔らかな色彩とグラデーション表現を得意としており、表示する色や模様を変化させてアイキャッチ効果や意匠性を高め、生活者に強く商品情報を訴求するほか、省電力で電池で駆動できるため、店頭のどこにでも設置できる特徴があるという。

第1弾製品として、組み立てが簡単で省スペースで設置できる店頭POP「DNPかんたん組み立てPOP PaPaTPoP(ぱぱっとポップ)」シリーズにPRISMを搭載して2016年4月に発売する。

「DNPかんたん組み立てPOP PaPaTPoP(ぱぱっとポップ)」

表示機能付きICカードなどのセキュリティ製品では、NFC対応の非接触ICカードにE Ink社の電子ペーパーを搭載し、各種会員証やポイントカード、電子マネーカードなどのポイントや金額の残高、チケットやクーポンなどの情報を表示できるようにした製品を2016年4月に発売するという。電子ペーパーの表示内容は、ICカードがリーダーライターと通信する際にリーダーライターから供給される電力を使って書き換えるため、ICカードに電池を搭載する必要がないという。

DNPは、流通・小売、金融、交通の企業を中心に、E Ink社の電子ペーパーを搭載した製品を販売し、5年後の2020年度に20億円の売上を見込んでいる。